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【2025年12月26日施行】薬剤師名簿の登録消除手続きを完全オンライン化へ。死亡・失踪時の届出がマイナポータル経由で可能に

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厚生労働省は、「薬剤師法施行令の一部を改正する政令案」を公表しました。今回の改正は、薬剤師が死亡または失踪宣告を受けた際に行う薬剤師名簿の登録消除手続きをオンライン化するものです。マイナポータルを活用し、都道府県知事を経由せずに電子申請できるようになります。公布は2025年12月下旬、施行は2025年12月26日を予定しています。


改正の背景

政府は「経済財政運営と改革の基本方針2020」および「規制改革実施計画」(令和2年7月閣議決定)に基づき、行政手続きの押印廃止・オンライン化を推進しています。
特に「行政手続オンライン化方針一覧」(令和3年12月)では、約12,000種類の行政手続を2027年までに原則オンライン化する方針が示され、薬剤師関連手続もその対象となっていました。

このうち、国家資格等情報連携・活用システムを使用しない「薬剤師名簿の登録消除」手続きについて、マイナポータルを利用したオンライン化が可能となることから、関係規定を整備するものです。これにより、手続の迅速化・効率化が実現します。


改正の主なポイント

① 登録消除申請をオンラインで直接実施可能に

薬剤師が死亡または失踪宣告を受けた場合、戸籍法に基づく届出義務者(親族など)が行う「薬剤師名簿登録の消除申請」について、電子情報処理組織(マイナポータル等)を利用して申請できるようになります。
この場合、従来必要だった都道府県知事の経由手続きが不要となります。

② 免許証返納もオンラインで完結

オンラインで登録消除の申請を行った場合、薬剤師免許証の返納についても都道府県を経由せずに実施可能となります。これにより、郵送や窓口対応の負担が軽減されます。

③ オンライン化に伴う関連条項の整備

上記の電子申請手続き導入に合わせて、薬剤師法施行令の文言整理および条項整合を図る改正が行われます。


実務への影響・対応策

今回の改正は、薬剤師本人ではなく**届出義務者(家族など)**が手続きを行うケースが多いため、実務上のポイントは次の通りです。

・マイナポータルでの手続方法の周知(申請ページ・必要情報・添付書類)
・死亡届・失踪宣告と薬剤師登録消除との連携フロー整理(自治体・厚労省間)
・医療機関や薬局の管理者による死亡報告・資格確認手続の見直し
・免許証の電子返納プロセス整備(スキャン提出・証明書発行等)

また、都道府県の薬務課は、これまで紙ベースで行っていた経由事務が不要になるため、事務負担軽減とシステム対応が必要となります。


施行時期と今後のスケジュール

  • 公布日:2025年12月下旬(予定)
  • 施行日:2025年12月26日

オンライン申請の受付は施行日以降、マイナポータルを通じて開始されます。厚生労働省は、施行前に操作ガイド・申請マニュアルを公表予定です。


まとめ

今回の改正は、薬剤師制度のデジタル化を進める第一歩であり、家族や関係機関による届出手続きをオンラインで迅速に行えるようにするものです。行政のデジタル改革方針に沿い、押印・書面主義の撤廃とともに、国家資格関連手続のオンライン一元化が今後さらに進む見込みです。
出典:厚生労働省「薬剤師法施行令の一部を改正する政令案について(概要)」(令和7年10月)

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