総務省は2025年11月4日、「電気通信事業法施行規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集結果および再意見募集を公表しました。今回の改正は、第二種指定電気通信設備制度の状況変化を踏まえた規定整備および接続に関する事項が中心です。
2025年10月に実施された第一次パブリックコメントでは3件の意見が提出され、これらの意見を受けて**「接続に関する部分」に限り再意見募集**が行われます。
本改正は、通信事業者間の接続ルールや接続料算定方法を最新のネットワーク環境に適合させるものとして、事業者の注目を集めています。
改正の背景
第二種指定電気通信設備制度とは、特定の通信事業者が保有する通信設備を他事業者が利用(接続)する際の条件や料金を国が規制・監督する制度です。
近年、5G・光アクセス網・クラウド接続など通信インフラの多様化が進む中で、既存の制度が現状に合わなくなっているとの指摘がありました。
今回の省令改正は、こうしたネットワーク構成の変化・事業環境の多層化を踏まえ、接続条件や料金算定方式の明確化・合理化を図るものです。
改正の主な内容
① 電気通信事業法施行規則の改正
(昭和60年郵政省令第25号)
以下の条項について、第二種指定電気通信設備制度の運用を見直す改正が予定されています。
- 第4条の4第1項第2号:指定設備の要件や指定基準の見直し
- 第25条の7第4号および第25条の7の5第2号:接続に関する届出・審査手続の明確化
これにより、通信事業者が提供する接続サービスの対象範囲や技術的要件がより明確化され、事業間での公平な競争環境が確保されます。
② 第二種指定電気通信設備接続料規則の改正
(平成28年総務省令第31号)
接続料(インターコネクト料金)の算定方法に関する条項を見直し、費用反映の適正化と透明性向上を図ります。
これにより、事業者がネットワーク間で相互接続を行う際の料金設定が、より合理的かつ公正に運用されることを目指します。
③ 再意見募集(再パブリックコメント)の実施
第一次意見募集(2025年10月1日~30日)において、接続関連部分について3件の意見が提出されました。
総務省は、これらの意見に対する他の利害関係者の見解を聴取するため、以下の期間で再意見募集を実施します。
- 再意見募集期間:2025年11月5日(水)~11月18日(火)
- 対象:第一次募集で提出された「接続に関する事項」についての意見のみ
- 提出方法:e-Gov「パブリックコメント」ページに掲載の要領に基づき提出(郵送・メール可)
今後のスケジュール
意見募集と再意見募集の結果を踏まえ、以下の流れで法令制定が進められる予定です。
- 情報通信行政・郵政行政審議会への諮問
- 同審議会による答申の公表
- 省令の正式制定・施行(2026年前半見込み)
これにより、第二種指定電気通信設備の接続制度に関する新ルールが正式に導入される予定です。
実務への影響と通信事業者の対応
今回の改正は、主に**ネットワーク接続・相互運用を行う通信事業者(特にMVNOやデータセンター事業者)**に影響します。
以下の対応が今後必要になる可能性があります。
- 指定設備提供事業者による接続条件・料金体系の見直し
- 接続料算定根拠の開示やコスト構造の透明化への対応
- 通信事業者間の接続契約書の内容再確認および見直し
- ネットワーク設備・システムの接続規格整合性の再検証
総務省は引き続き「通信市場の公平競争環境の確保」を重点方針としており、接続制度の実務運用においても、ガイドラインや詳細ルールが順次整備される見込みです。
まとめ
今回の再意見募集は、通信インフラ事業の根幹に関わる「接続ルール」を再構築する重要なステップです。
接続料や指定設備制度の見直しは、通信事業者のコスト構造や事業モデルに直接影響を及ぼすため、今後の審議結果・省令公布を注視する必要があります。
事業者は、最新の制度内容を踏まえ、契約・料金設定・技術接続ポリシーの整備を早期に進めることが求められます。
出典:総務省「電気通信事業法施行規則等の一部改正に関する意見募集結果および再意見募集」(令和7年11月4日)