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【2025年10月24日公募開始・2026年1月30日締切】ものづくり補助金「第22次公募」最新要点と中小企業の実務対応

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中小企業の設備投資と賃上げを後押しする「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第22次公募)」が公募開始となりました。申請は電子申請のみ、締切は2026年1月30日17:00(厳守)。採択後の交付決定から原則10~12か月の実施期間で、単価50万円(税抜)以上の設備投資が必須です。製造業・サービス業・小売・宿泊・情報サービスなど幅広い業種の中小企業・小規模事業者が対象で、賃上げ・最低賃金水準の達成が求められます。公募スケジュールや必須要件を踏まえ、経営者・人事労務担当者は早期の社内準備が不可欠です。

2. 改正の背景

本補助金は、複数年にわたる制度変更や賃上げに耐える企業体力をつくるため、新製品・新サービス開発や海外需要開拓に必要な設備投資を後押しし、生産性向上と経済活性化を図ることを目的としています。従来型の単なる設備更新ではなく、「革新的」な開発と賃上げ目標の同時達成を促す点が特徴です。

3. 改正の主なポイント

A. 申請枠と補助上限・補助率

第22次は、①製品・サービス高付加価値化枠、②グローバル枠を用意。高付加価値化枠は従業員規模に応じて上限750万~2,500万円、小規模等は補助率2/3(中小企業は1/2)。グローバル枠は上限3,000万円、同様に小規模2/3・中小1/2が基本です。

B. 特例措置(賃上げ・最低賃金)

賃上げ実行企業には上限額の引上げ特例、最低賃金引上げに取り組む企業には補助率の引上げ特例(2/3)が用意されています。未達の場合は返還規定が明確です。

C. 補助対象経費と必須条件

設備投資は「単価50万円(税抜)以上」の機械装置・システムが必須。クラウド利用費や外注費、専門家経費、原材料費なども対象ですが、合算上限や区分上限があります。交付決定前の発注・購入は一切対象外となるため要注意です。

D. 補助対象者と対象外

国内に本社と実施場所を持つ中小企業者・小規模企業者・特定事業者の一部・NPO・社会福祉法人等が対象。一方で、みなし大企業、直近16か月以内に関連補助金の採択歴がある等は対象外となる場合があります。

E. 基本要件(賃上げ・最低賃金・行動計画)

事業計画期間(3~5年)で①付加価値額CAGR+3.0%以上、②賃金(総額または一人当たり)伸び率の目標設定・達成、③事業所内最低賃金を都道府県最低賃金+30円以上(毎年)、④従業員21名以上は次世代法に基づく一般事業主行動計画の策定・公表が必要です。未達時の返還ロジックも明記されています。

F. グローバル枠の追加要件

海外直接投資、輸出、インバウンド、海外企業との共同のいずれかに該当し、実現可能性調査や専門人材・外部専門家との連携が条件。売上見込みや契約書・調査報告などの提出が求められます。

G. 申請・審査・口頭審査

電子申請のみ。事業計画は本文+図表(PDF5ページ以内)の構成で、外部有識者による書面審査に加え、一定基準で口頭審査(オンライン)を実施。加点項目(経営革新計画、DX認定、賃上げ加点、事業継続力強化計画等)と、未達時の減点運用も整理されています。

4. 実務への影響・企業の対応策

経営・人事労務・事業部門が連携し、以下の順で“先に動く”ことが採択率と実行確度を左右します。

まず、GビズIDプライムの準備。発行に時間がかかるため、電子申請の前提として最優先で着手します。次に、設備投資の仕様確定と複数見積の取得。交付決定前の発注は対象外のため、見積は「価格妥当性証明」に重きを置きつつ、発注タイミングは交付決定後に統制します。

並行して、賃上げ計画の社内表明を整えます。給与支給総額(または一人当たり)目標、事業所内最低賃金の上乗せ幅(+30円、特例申請時は+50円)を従業員へ明示し、人件費原資の根拠(価格転嫁や付加価値向上施策)と合わせて文書化。目標未達時は返還ありうるため、利益計画・労務費予算・採用計画を一体で再設計します。

従業員21名以上の企業は、次世代法の一般事業主行動計画を「申請締切日時点で有効」状態で公表する必要があるため、掲載手続に1~2週間要する点を逆算に織り込みます。人事部門は計画の更新・公表、労働局への届出もセットで管理してください。

グローバル枠を狙う企業は、海外市場調査や共同研究契約のドラフト、海外子会社の財務・株主情報などの提出資料を整備。輸出型は想定顧客の性能評価・需要証跡、インバウンドはターゲットの具体性と売上比率の根拠が問われます。

さらに、事業計画の書き方そのものが審査対象です。本文は電子申請へ入力し、図表はA4で5ページ以内に整理。革新性・市場規模・競合優位・実施体制・KPI(付加価値、賃上げ、最低賃金、投資内容)を数字で接続すること。加点は最大6項目まで申請可能で、達成未達の追跡も行われるため、加点申請は「やり切れるもの」に絞ります。

業種別の視点では、製造業は生産設備+セキュリティ・サイバー対策の外注費や脆弱性診断も対象になりうる点を活かし、設計~量産への移行計画を具体化。小売・サービスはソフトウェアや専用システムの構築費を“新サービス開発”とセットにし、既存プロセス改善のみにならないよう設計しましょう。リース・レンタル活用時は期間按分や機器の「専ら使用」要件、処分制限財産の管理も見落とし注意です。

5. 施行時期と今後のスケジュール

公募開始は2025年10月24日、電子申請受付は2025年12月26日17:00開始、申請締切は2026年1月30日17:00(厳守)。採択公表は2026年4月下旬頃の予定です。採択後は原則2か月以内に交付申請、交付決定後に事業開始し、枠により実施期間は10~12か月(採択発表から12~14か月後の期日まで)です。スケジュール逆算で、賃上げの社内表明・行動計画の公表・見積取得・仕様固め・資金手当て(自己資金・融資)を配置してください。

6. まとめ

第22次公募は、単なる設備更新ではなく「革新的な開発×賃上げ」を両立させる企業に資する設計です。人事・労務・経営企画・現場が一体で、賃上げ目標の達成可能性と付加価値創出の道筋を数字で結ぶことが、採択と実装の決め手になります。とくに、GビズIDの早期取得、交付決定前の発注禁止への対応、行動計画の公表リードタイム、未達時の返還規定——この4点を“落とし穴”として避けつつ、申請準備を今日から始めましょう。

引用元:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第22次公募、2025年10月24日発表)

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