MENU

【2025年9月通達・即日推進】匿名・流動型犯罪グループの「下見」訪問対策を全国警察が強化。企業・訪問サービス事業者の実務対応ガイド

  • URLをコピーしました!

2025年9月25日付の警察庁通達により、匿名・流動型犯罪グループが行う「犯罪下見活動」と思料される不審な訪問等への実態解明と対策が全国で強化されました。家の外部へのマーキングや名刺不提示といった手口が確認され、得られた情報が特殊詐欺等の標的選定に利用されるおそれが指摘されています。本通達は行政の内部対策にとどまらず、事業者の現場運用にも直結します。とりわけ、訪問営業・定期保守・宅配・警備・リース・不動産・通信工事など「訪問」を伴う業種は対応を急ぐべきです。

改正の背景

背景には、従来の悪質訪問業者のみならず、強盗・侵入窃盗等のより凶悪・悪質な犯罪につながる「目的が判然としない不審な訪問」の増加があります。通達は、訪問者による家族構成・資産状況などの聞き出し、名刺の不提示や回収、正規業者なら答えられる質問に答えない言動を典型例として挙げ、これらの情報が他グループへ共有されて詐欺の標的選定に利用されうるとしています。警察は職務質問・情報集約・広域共有を徹底し、組織の中核人物の検挙や犯罪収益の剝奪まで見据えた総合対策に舵を切りました。

改正の主なポイント

不審な訪問・悪質訪問業者の定義明確化

通達は「不審な訪問」を、個人情報の執拗な聴取、名刺不提示、基本質問に答えられない等により受領者が不審と感じる訪問と定義。併せて、詐欺や特定商取引法違反等の疑いがある訪問業者を「悪質訪問業者」として整理しています。企業が現場で判断する際の実務的な基準になります。

情報収集・共有と突き上げ捜査の徹底

通報があれば直ちに周辺を検索し、該当人物を発見した場合は積極的に職務質問。違法行為が確認されれば事件化し、実行犯にとどまらず組織の結節点である中核人物の検挙を重視します。各都道府県の司令塔への一元集約と、警察庁での評価・分析・還元というサイクルが規定されました。

犯罪収益の剝奪と関係法令の活用

犯収法による没収・追徴や税務当局への通報、暴力団対策法第31条の2の適用を視野に入れ、組織への実質的打撃を狙います。また、古物商・警備業など警察所管の許可業種を名乗る場合は許可の確認・立入検査・行政処分、特定商取引法上の訪問販売に該当する場合は第60条1項に基づく行政措置の発動を働きかけるなど、行政面の対策も明記されています。

広報・抑止と地域戦略

名刺の提示要求、家に入れない判断、退去しない場合の110番通報など、住民向け行動指針を広報。正規業者の訪問方法も併せて周知し、誤認防止を図ります。周辺地域に集中訪問する傾向を踏まえ、メール配信や車載マイク、巡回を組み合わせて波状的に注意喚起すること、押収名簿を活用した被害予防も促されています。

実務への影響・企業の対応策

今回の通達は事業者の現場フローに直接影響します。警察が強化する切り口に合わせ、企業内の「来訪者管理」「訪問営業の態様」「顧客宅での作業手順」を見直してください。

まず、オフィス・倉庫・店舗側では、受付・守衛を中心に来訪者の本人確認手順を明文化します。名刺提示・身分証・訪問目的の言語化・所属の照合を一連のチェックリストに落とし込み、不審兆候(名刺不提示、回収要求、回答回避、目的の曖昧さ)があれば入館を見合わせ、上長と警備へエスカレーションします。記録は日時・人物特徴・会話要旨・対応内容まで残し、同一人物・同一手口の再来に備えます。

訪問営業・フィールドサービスでは、身分証・社員証・社名入りビブスや車両の表示、事前連絡・訪問目的の文面化、現地での挨拶文型(名乗り方・提示物・作業内容の説明)を統一します。顧客から名刺提示を求められた場合の標準応答、名刺回収の禁止、現場での写真撮影や家族構成等の聴取禁止など、逸脱防止ルールを教育・点検に組み込みます。

外注・委託の管理も要です。古物商・警備業・電気通信工事など、許可・届出が必要な職種は、委託元の責任で許可状況を定期確認します。特定商取引法の訪問販売に該当するスキームでは、社内で適法性チェックシートを運用し、クーリング・オフの案内や勧誘方法の遵守を監査対象に加えます。違反の疑いがあれば、警察・行政への相談・申出のフロー(窓口・社内承認者・提出書式)を整備しておきます。

リスクが顕在化した場合の通報ラインも明確にします。不審な訪問の社内通報先、警察への110番や相談窓口の判断基準、近隣・テナントへの注意喚起テンプレートを用意します。顧客宅で不審マーキングを発見した場合に備え、現場からの報告・写真記録・撤去依頼・顧客への注意喚起の一連手順を訓練しておくと実効性が高まります。

業種別の視点として、建設・リフォームは近隣宅への事前告知と現場識別の徹底、製造・物流はゲートでの来訪者スクリーニング強化、リース・点検は定期訪問の事前アポイント・担当者固定化、通信・エネルギーは委託先まで含むID掲示の義務づけが効果的です。店舗・金融・不動産は、顧客情報の口外禁止や私的メモ持ち出しの防止を再点検しましょう。

施行時期と今後のスケジュール

本通達は2025年9月25日付で示され、全国での対策推進が即時に求められています。有効期間は令和13年(2031年)3月31日までとされています。企業としては、2025年内に方針決定・ルール策定・教育を完了し、2026年第一四半期までに委託先を含む運用定着・監査の立ち上げまで進めるのが現実的です。以後は半期ごとの実地点検と事案共有会を回し、警察の最新動向に合わせて規程と教育資料を更新してください。

まとめ

本通達は、匿名・流動型犯罪グループの「下見」段階で芽を摘むため、警察の捜査・行政・広報を総動員する方針を明確にしました。企業側も、来訪者管理と訪問業務の標準化、委託先の適法性管理、異常時の通報・共有の即応体制をセットで整えることで、犯罪の入口を閉じることができます。現場で迷わない運用設計と教育・監査を、この四半期中に着手してください。

引用元:警察庁通達「匿名・流動型犯罪グループによる犯罪下見活動と思料される不審な訪問等を行う犯罪組織の実態解明と対策の推進について」(2025年9月25日付)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次