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【2025年度内公布・即日施行予定】「食品、添加物等の規格基準」告示の一部改正案—器具・容器包装の経過措置を5年へ延長、同様品も対象に

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消費者庁は、器具・容器包装に関する「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)」の改正に伴う運用を見直すため、「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する告示(令和7年内閣府告示第95号、以下、用途別告示)」の附則改正案についてパブリックコメントを開始しました。主眼は、経過措置期間の2年から5年への延長と、経過措置の対象に「これと同様のもの」を追加すること。器具・容器包装の製造・輸入・販売事業者、食品メーカー、検査機関に直接影響する内容です。

改正の背景

用途別告示では、用途別に規格基準を整理しつつ、個別規格のない合成樹脂に「総溶出物規格」を新設するなど、意図せず混入する物質へのリスク管理を強化しました。また、試験法の一部は課長通知へ移行し、溶出試験の試験溶液の調整法なども見直されています。こうした移行に際し、地方衛生研究所から「性能評価まで考慮すると2年では不十分で、最長5年程度が妥当」との意見が示され、さらに事業者からは施行前から販売している製品の“改正後試験法による再試験負担が大きい”との指摘がありました。これらを踏まえ、経過措置の期間延長と対象拡大が提案されています。

改正の主なポイント

経過措置期間の延長(2年→5年)

附則の経過措置の期限が「令和9年6月1日前」から「令和12年6月1日前」へ延長されます。実務上は、改正後規定への切替えに猶予が広がり、検査法の性能評価・バリデーション、社内規程・表示の更新、供給者適合宣言(DoC)の改版などを段階的に進められるようになります。

経過措置の対象範囲を拡大(「同様のもの」を追加)

従来は「施行前から販売・製造・輸入・営業上使用されている器具・容器包装」に限って従前の例を認めていましたが、改正案では「これと同様のもの」も対象に含めます。生産ロットや意匠差はあっても、材質・構造・用途などが同等でリスクプロファイルが変わらない製品群について、円滑な適用移行が可能になります。

背景となる規格・試験法の再編

合成樹脂の一般規格として総溶出物規格が導入され、従来の個別規格中心からリスク管理の網羅性が高まりました。試験法の一部は通知へ移行し、規格告示側に残る試験法も手順が見直されています。これにより、国内での試験運用の均質化と、国際的な評価手順との整合が進みます。

実務への影響・企業の対応策

今回の見直しは「猶予が延びる=対応不要」ではありません。むしろ、5年間で確実に体制を整えることが前提です。企業視点での優先アクションは次の通りです。

  1. 試験適合戦略の再設計
    改正後の試験法(溶出試験の溶液調整法等)と総溶出物規格の適用範囲を棚卸しし、対象製品をマトリクス化。代表配合・最悪条件(worst case)を設定し、バリデーション計画(評価順序・サンプル数・外部ラボとの分担)を策定します。
  2. 経過措置対象の判定基準を明文化
    「施行前からの販売品」と「これと同様のもの」の定義を、材質・添加剤・構造・接触食品・使用温度などの観点で社内基準化。製品技術資料(配合・図面・フードコンタクト条件)とひもづけ、監査対応可能な判定記録を残します。
  3. サプライチェーンと通知文書の更新
    原材料メーカー・成形委託先と情報連携し、改正後規格への適合ロードマップを共有。供給者適合宣言(DoC)や適合証明書、SDS、製品仕様書の改版スケジュールを5年計画に落とし込みます。
  4. ラベリング・販促資材・カタログの段階更新
    在庫の切替え計画(旧仕様/新仕様の併売期間、ロットトレース、顧客説明資料)を策定。B2B顧客(飲料・惣菜・乳業・製菓等)向けに、切替え時期と変更点(試験法・規格値・表示文言)をわかりやすく通知します。
  5. 試験キャパシティとコストの最適化
    地方衛生研究所や外部試験機関の混雑を見越し、季節要因や繁忙期を避けた計画的な試験発注を実施。社内での前処理・スクリーニングを標準化し、外部試験を要するケースを優先度付けしてコストを平準化します。
  6. 海外規制との整合確認
    EU(FCM)、米国FDA、東南アジア等の食品接触材料規制との整合性を再点検。輸出入を伴う場合、国内の総溶出物規格対応と併せ、国際規格へのクロスリファレンス資料を整備します。

施行時期と今後のスケジュール

告示は2025年度内に公布予定で、公布日施行(即日施行)となります。経過措置の期限は2027年6月1日前から2030年6月1日前へ延長される見込みです。企業は、告示成立後すみやかに最終文言を確認し、上記の適合ロードマップを正式化してください。とくに多品種を扱う成形・フィルム・紙容器・金属缶・ラミネート事業者は、代表品・代表配合の選定を年内に完了させると移行がスムーズです。

まとめ

今回の附則改正案は、試験法の再編・総溶出物規格導入という大きな制度変更を、現場で確実に運用するための「実務的な猶予」を与えるものです。5年の経過措置と同様品の追加により、再試験負担や評価ボトルネックを緩和しつつ、最終的なリスク管理水準の底上げが期待されます。経営者・人事労務以外の事業部門も巻き込み、製品設計・試験・品質保証・購買・営業が一体となった移行計画を、今から着実に進めてください。

出典:消費者庁「『食品、添加物等の規格基準の一部を改正する告示の一部改正について(案)』に関する御意見の募集について」資料(食品衛生基準審査課)

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