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【2025年3月施行予定】種苗法施行規則改正で品種登録の区分を追加。栽培試験手数料の新設も

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農林水産省は、令和8年3月中旬に「種苗法施行規則の一部を改正する省令」を施行する予定です。本改正は、植物品種登録制度の円滑な運用を図るため、品種登録審査の指標となる「植物の区分」や「植物の種類」を追加・変更するものです。また、出願品種の栽培試験に係る手数料の新設など、実務上の影響も生じます。植物育種や種苗ビジネスに携わる企業・研究機関にとって、出願準備やコスト計画の見直しが必要となります。

改正の背景

種苗法(平成10年法律第83号)では、新品種の保護を目的に、登録審査の基準や出願手続が詳細に定められています。近年、国際的な品種保護制度(UPOV条約)の改訂や新たな作物種の開発が進む中で、既存の植物区分や学名・和名の体系が実態に合わなくなっていました。これを踏まえ、農林水産省は最新の植物分類・審査体制に対応するための見直しを行うものです。

改正の主なポイント

植物区分の追加・変更(別表第1関係)

新品種登録審査に対応するため、既存の植物区分に新たな区分を追加。さらに、既存区分に属する植物についても、重要形質の見直しや分類変更を実施します。これにより、これまで審査基準が明確でなかった新種・園芸種についても登録対象として扱いやすくなります。

植物の種類の追加・変更(別表第2関係)

新たに出願が見込まれる植物種に対し、学名および和名を新設。また、既に登録済みの植物についても、最新の分類体系に合わせて学名・和名を修正します。これにより、出願書類作成時の誤記防止や国際的な審査調整が容易になります。

栽培試験手数料の新設・変更(別表第3の3関係)

新品種登録の審査に必要な「栽培試験」について、試験区分ごとの手数料を新設。特別な形質を持つ植物では試験の難易度が高まるため、実費に応じた手数料改定が行われます。これにより、試験機関の費用回収と審査の迅速化を両立させる狙いがあります。

類似植物区分の改正(別表第4関係)

植物新品種保護国際同盟(UPOV)が令和6年10月25日に改訂した「品種名称に関する解説書」に基づき、類似植物区分の整理・追加を実施。国際基準との整合性を図り、国内外での品種名重複や混乱を防止します。

実務への影響・企業の対応策

今回の改正により、企業や育種機関は以下の対応が求められます。

まず、新たに追加された植物区分・種類を確認し、自社が扱う作物が新規審査対象に含まれるかを早期に把握することが重要です。該当する場合、出願書類の記載内容(学名・和名など)を最新版に更新する必要があります。

次に、栽培試験の手数料改定により、出願コストが変動する可能性があります。特に多数の品種を同時に出願する企業では、予算計画やスケジュール調整を行うことが求められます。また、類似植物区分の見直しにより、品種名の選定段階で既存登録との重複リスク確認も強化する必要があります。

施行時期と今後のスケジュール

本改正は、令和8年3月中旬の公布・施行が予定されています。具体的な区分表や手数料額は、省令公布時に正式に示される見込みです。企業は、公布後速やかに改正内容を確認し、出願書類や社内マニュアルの更新を進めることが推奨されます。

まとめ

「種苗法施行規則の一部改正」は、国内外の植物品種保護制度を最新化し、審査の明確性と効率化を目指す重要な改正です。新たな植物区分の追加と手数料の新設により、出願実務への影響は避けられませんが、早期の情報収集と体制整備によりスムーズな対応が可能です。農業・園芸分野における知的財産戦略の強化に向け、各事業者は法改正の動向を継続的に注視することが求められます。

(出典:農林水産省「種苗法施行規則の一部を改正する省令案の概要」)

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