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令和7年4月施行:標準貨物自動車運送約款等の改正と実務への影響

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令和6年5月15日に公布された「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」に基づき、令和7年4月1日から標準貨物自動車運送約款等の改正が施行されます。今回の改正は、貨物自動車運送事業における多重下請構造の是正や透明性向上を目的としており、運送契約時の書面交付義務の強化や、運送体制の管理義務が追加されることが特徴です。

また、これに伴い貨物自動車運送事業法施行規則等が改正され、それに準じた標準運送約款の改正も行われることになりました。対象となる約款は、標準貨物自動車運送約款をはじめとする8種類の約款であり、運送事業者は今後の実務運用に適切に対応する必要があります。

改正の主な内容

  1. 運賃・料金および附帯業務に関する書面交付の義務化
    運賃や料金、附帯業務に関する詳細を記載した書面(電子交付を含む)の交付義務が強化されます。これにより、運送契約の透明性が向上し、適正な取引環境の確保が図られることが期待されます。
  2. 運賃・料金等の店頭掲示の明確化
    運送事業者が運賃・料金をウェブサイトに掲載する場合であっても、従来通り店頭での掲示が義務付けられることが明確化されました。これにより、消費者や荷主にとって運賃情報のアクセス性が向上し、料金体系の不透明性が解消されると考えられます。
  3. その他の所要の改正
    その他、貨物自動車運送事業における取引の公正性や事業者間の適正な関係を確保するための細かな規定の整備が行われます。

実務への影響

今回の改正により、運送事業者には以下の対応が求められます。

  • 契約時の書面交付体制の見直し
    運賃や料金の交付義務が厳格化されるため、書面作成のための業務フローの整備が必要です。電子交付の活用も視野に入れ、業務効率化を進めることが望まれます。
  • ウェブサイトと店頭掲示の一貫性確保
    運賃・料金の情報をウェブサイトと店頭の両方で適切に掲示する必要があります。これに伴い、情報更新の管理や掲示方法の統一に関する運用ルールの策定が求められます。
  • 運送体制の管理強化
    実運送事業者の名称等を記載した「実運送体制管理簿」の作成・保存義務があるため、事業者は適切な管理体制を構築しなければなりません。特に多重下請構造の改善に向けた取り組みが重要となります。

施行スケジュール

本改正の公布は令和7年3月中旬を予定しており、施行は令和7年4月1日となります。運送事業者や関係者は早めに改正内容を把握し、対応策を講じることが求められます。

まとめ

今回の改正は、運送事業の公正性や透明性を高めるための重要な措置です。特に、運賃・料金の書面交付義務や店頭掲示の明確化は、荷主や消費者にとってもメリットのある改正といえます。運送事業者は、改正内容を適切に理解し、早期に対応を進めることで、スムーズな運用へとつなげていくことが求められます。

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