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【2025年12月施行】建築基準法施行規則改正で「デジタル登録証」導入へ。建築適判資格者に求められる新対応とは

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2025年12月1日、建築基準法施行規則等の一部改正が施行されます。今回の改正は、建築基準適合判定資格者および構造計算適合判定資格者(以下「適判資格者等」)の登録申請を、国家資格システムを通じてオンラインで行えるようにするものです。これにより、登録証のデジタル化(デジタル登録証)とオンライン決済が新たに導入され、建築行政手続のデジタル化が大きく進むことになります。本改正は、建築士や判定資格者、さらには行政庁・指定確認検査機関にとっても実務的な影響が大きい内容です。


目次

改正の背景

今回の改正は、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和7年法律第35号)に基づき、都道府県を経由して行っていた登録事務を廃止し、国家資格等情報連携・活用システム(通称:国家資格システム)に一本化することが背景にあります。
行政手続の電子化を進める国の方針に沿い、資格登録の申請から登録証の交付、手数料の納付までをオンラインで完結できる仕組みを整える狙いがあります。


改正の主なポイント

① デジタル登録証の交付

これまで紙で発行されていた登録証(建築基準法施行規則別記第52号様式等)は、オンライン申請の場合、同内容を電子的に表示した**「デジタル登録証」**として交付されます。
国家資格システムから出力可能な形で提供されるため、携帯端末やPC上での提示が可能となり、持ち運びや管理が容易になります。これにより、資格確認業務の効率化や証明の即時性が大幅に向上する見込みです。


② 登録手数料のオンライン決済対応

オンライン申請に伴い、登録手数料の納付方法として**オンライン決済(クレジットカードや二次元コード決済など)**が新たに導入されます。
これにより、従来の金融機関振込や郵便振替による納付が不要となり、申請から登録までの事務処理がスムーズになります。
関連して、国土交通省所管の「情報通信技術を利用する方法による国の歳入等の納付に関する法律施行規則(令和4年国交省令第85号)」も同時に改正されます。


③ その他の整備

国家資格システム導入に伴い、関連規定の整理や必要な条文修正が行われます。これにより、紙とデジタルの両方の運用が併存する期間にも対応できるよう配慮されています。


実務への影響・企業の対応策

建築確認・構造適合判定を担う企業・個人にとって、オンライン化への対応が求められます。
特に以下の点が実務上のポイントとなります。

  • 登録申請手続をオンラインで行うための国家資格システムへの利用登録・操作習熟
  • デジタル登録証の保存・提示方法の確認(特に現場や審査時の運用ルール整備)
  • オンライン決済の導入に伴う会計処理や経理部門との連携強化
  • 紙媒体との併用期間における証明書類の管理ルール策定

また、建築設計事務所や指定確認検査機関は、資格確認や登録状況の照会を電子的に行うことが可能となるため、社内システムとの連携強化も検討すべき段階にあります。


施行時期と今後のスケジュール

  • 公布予定:2025年11月中旬頃
  • 施行日:2025年12月1日

この改正により、同日からオンライン申請およびデジタル登録証交付、オンライン決済が正式に運用開始となります。関係機関や資格者は、同年11月中旬以降に公開予定の運用ガイドラインや操作マニュアルを確認のうえ、早期の準備を進めることが重要です。


まとめ

本改正は、建築分野における資格登録制度のデジタル転換を象徴するものであり、行政手続の効率化と透明性向上を目指すものです。
建築基準法関連の実務を担う事業者は、国家資格システムの導入に合わせて自社の申請・管理体制を見直す必要があります。
2025年12月施行を見据え、今から準備を始めることで、移行期の混乱を最小限に抑えることができるでしょう。

出典:国土交通省「建築基準法施行規則等の一部を改正する省令案(概要)」令和7年10月 住宅局建築指導課

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