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【2025年10月施行】特定フリーランス事業の「労災保険特別加入制度」が拡充。製造・清掃・メンテナンス業の個人事業主にも安全網

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2025年10月から、厚生労働省による新たな「特定フリーランス事業に係る労災保険特別加入制度」の運用が本格化します。これにより、これまで建設業の一人親方などに限られていた特別加入の対象が、製造業・清掃業・設備メンテナンス業など幅広いフリーランスにも拡大されます。
労災リスクを抱えながら個人で業務を請け負う事業者が安心して働ける環境整備が進み、発注企業にも新たな安全配慮義務が問われることになります。


改正の背景

近年、清掃、造船、機械保守、消防設備点検、草刈りなど、建設業以外でも「労災リスクが高いフリーランス業務」が増加しています。
しかし、これらの職種は従来の労災特別加入制度の枠外にあり、事故発生時の補償が十分でないという課題がありました。

厚生労働省はこうした現状を踏まえ、「特定受託事業者」や「業務委託契約によるフリーランス」を新たに対象とする特別加入制度の拡充を進めています。
制度設計には、建設業の一人親方労災団体として30年以上の実績を持つRJCグループなどの協力団体が参画し、2025年1月には「フリーランス保険組合」が設立されました。


改正の主なポイント

対象業種の拡大

これまで建設業に限定されていた特別加入制度が、次のような「特定フリーランス事業」にも拡大されます。

  • 製造・組立・保守点検・修理
  • 清掃・ハウスクリーニング・除草・樹木の剪定
  • 設計・技術支援・データ入力などの事務系業務
  • サービス・販売など一部の非建設系業務

制度の趣旨は、労働者に準じた危険を伴う個人事業者にも労災補償を及ぼすことです。

全国対応の加入サポート体制

フリーランス保険組合では、47都道府県で面談・オンライン相談に対応し、申込から証明書発行までをオンラインで完結できる体制を整備しています。
また、業種別に最適な特別加入団体(建設・IT・製造など)を案内する支援体制を構築しています。

教育・安全衛生の強化

加入者は、年次更新時に安全衛生教育(転倒防止、熱中症対策など)の受講が義務付けられます。
また、定期的なオンライン研修や安全啓発用タオルの配布、メールマガジンによる災害防止情報の提供など、実務に即した教育が行われています。


実務への影響と企業の対応策

フリーランス側のメリット

新制度により、発注企業に雇用されていない個人事業主でも労災補償を受けられる道が開かれました。
とくに製造業、メンテナンス業、造船業、清掃業など現場作業を伴う職種では、事故時の補償リスクを軽減できます。

発注企業側の留意点

発注企業は、委託契約を結ぶフリーランスが「特別加入対象業務」に該当するか確認し、労災補償の加入を促すことが求められます。
また、労災事故発生時の報告・給付手続きの流れを理解し、必要に応じて労災保険組合など専門団体と連携して対応する必要があります。

社会保険労務士・士業への影響

新たな特別加入制度では、加入手続き・脱退・再加入などの事務処理が複雑化するため、社労士や税理士が顧問先の支援を行うケースも増える見込みです。
RJCグループでは、元厚労省職員を含む専門チームが申請書類の作成や給付金支給状況の確認を支援しています。


施行時期と今後のスケジュール

  • 2025年1月:フリーランス保険組合 設立
  • 2025年9月:全国労働局で承認・電子申請開始
  • 2025年10月:特定フリーランス事業に係る特別加入制度 本格運用開始
  • 2026年以降:対象業種・制度運用状況を踏まえた追加見直しを予定

厚労省は、全国の商工会・士業団体を通じて制度周知を進める方針であり、フリーランスや委託企業への啓発が拡大していく見込みです。


まとめ

2025年10月施行の「特定フリーランス事業に係る労災保険特別加入制度」は、これまで保護の外にあった多くの個人事業主に安全網を広げる大きな一歩です。
制度は、単なる保険加入の枠を超え、災害防止教育・安全意識の定着を重視した新しい労働安全モデルとして位置づけられています。
フリーランス本人だけでなく、発注側の企業にとっても「安全配慮義務」や「契約管理の透明化」が求められる時代に入ったといえるでしょう。

引用元: 厚生労働省「特定フリーランス事業に係る特別加入制度への取り組み(2025年10月22日公表)」

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