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【2025年12月終了・2026年延長】能登半島地震を踏まえた雇用対策見直し。雇用調整助成金終了と産業雇用安定助成金の特例延長

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厚生労働省は、能登半島地震およびその後の豪雨災害を受け、被災地の雇用維持を目的に運用してきた「雇用調整助成金(能登半島地震豪雨・半島過疎臨時特例)」を2025年(令和7年)12月末で終了すると発表しました。
一方で、被災地域の特殊な雇用環境を踏まえ、産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)は2026年(令和8年)12月31日まで延長されます。
この見直しは、復興期に入った被災地の雇用環境を「休業支援」から「再就職・出向支援」へと段階的に移行する狙いがあります。


改正の背景

能登半島地震とその後の豪雨災害は、地理的制約と高齢化・過疎が進む地域に複合的な打撃を与えました。
一時的な休業や生産停止が続く中で、雇用調整助成金の特例措置により雇用維持は一定程度図られたものの、休業の長期化による働く人のモチベーション低下やスキル喪失が課題として浮上していました。

一方で、復興に伴い地元企業の操業再開や人材需要が増え始めており、「出向など柔軟な働き方を支援する仕組み」への転換が求められました。
このため、政府は雇用調整助成金による休業支援を打ち切り出向・再就職支援を強化する方向に舵を切った形です。


改正の主なポイント

1. 雇用調整助成金の特例終了(2025年12月末)

能登半島地震・豪雨被災地域(ハローワーク七尾・輪島管内)で実施されていた「雇用調整助成金の臨時特例措置」は、

  • 有効求人倍率の高止まり
  • 長期休業によるスキル維持への悪影響
  • 復興に伴う職場復帰の進展

といった状況を踏まえ、令和7年12月末で終了します。

2. 「産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)」を延長(~2026年12月)

地元企業の復興を支えるため、在籍型出向支援制度の対象期間を1年間延長。
また、出向先確保が難しい地域事情に対応し、出向要件が大幅に緩和されました。

  • 出向元と出向先の勤務割合要件
     → 従来:「週の半分以上」 → 改正後:「週の1/5以上」で可
     (例:週5日勤務の場合、週1日出向先での勤務でも対象)
  • 支給期間:最大730日(2年間)
  • 助成率:中小企業4/5、大企業2/3
  • 助成上限:1人1日あたり8,870円

これにより、復興現場や地域産業での短期・部分出向にも柔軟に対応できるようになります。

3. 申請手続きの簡素化(2025年10月実施済)

  • 申請項目の簡略化・省力化
  • 2回目以降の添付書類の省略
    など、企業の事務負担を軽減する改正がすでに実施されています。

4. 併せて講じる地域雇用支援策

休業者や出向困難者への支援も継続されます。

  • ハローワークによる個別再就職支援・職業訓練あっせん
  • シルバー人材センターによる就業体験・技能講習
  • 石川県「ILAC能登」での被災企業支援・人材マッチング

これらの施策を組み合わせ、地域全体で雇用創出を進める体制が整えられます。


実務への影響と企業の対応策

被災地の企業にとって、これまで依存してきた「雇用調整助成金」が終了することは大きな転換点です。
今後は、在籍型出向の活用再就職支援との連携を前提に、人材確保と雇用維持を両立させる戦略が求められます。

企業担当者は次の点に留意する必要があります。

  • 早期に出向先・受け入れ先の企業ネットワークを確保する
  • 助成金の要件変更(勤務割合・期間)を正確に把握する
  • 出向契約や雇用契約の整備を行う
  • 再就職支援や職業訓練の案内を従業員に周知する

また、自治体・商工会・ハローワークと連携し、地域単位での雇用再構築を進めることが重要です。


施行時期とスケジュール

  • 2025年10月1日:助成金申請手続きの簡素化施行
  • 2025年12月末:雇用調整助成金(能登半島地震豪雨・半島過疎臨時特例)終了
  • 2026年12月31日まで:「産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)」延長

まとめ

今回の見直しは、能登地域の雇用を「守る」段階から「再び動かす」段階へと移行する政策転換です。
休業支援中心の制度から、出向・再就職・地域創出へと軸足を移すことで、持続的な雇用回復を図ります。

企業にとっては、助成金制度の終了・延長のタイミングを正確に把握し、復興期の人材戦略を再設計することが急務です。
地域の復興と雇用の安定を両立させるために、行政・企業・地域が一体となった対応が求められます。

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