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【2025年改正案】外国人起業活動促進事業の要件厳格化へ。資本金3,000万円と常勤雇用が初年度条件に

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経済産業省は、「外国人起業活動促進事業に関する告示(平成30年経済産業省告示第256号)」の一部を改正する案を公表しました。今回の改正は、在留資格「特定活動」に基づく外国人の起業支援制度の運用を見直し、より実現性の高い事業を支援するためのものです。初年度に求められる資本金や雇用の基準が大幅に引き上げられ、適格性審査の厳格化や電子化の推進が盛り込まれています。スタートアップ支援、大学、自治体、企業の外国人受入担当者など、幅広い関係者が影響を受ける内容です。

出典:https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000298006

改正の背景

外国人起業活動促進事業は、将来的な事業定着を促す目的で、在留資格「特定活動」を活用し、起業準備期間を設ける制度です。しかし、制度開始から数年が経ち、十分な資本準備や雇用創出につながらない事例が増加していました。また、一部では在留資格の延長目的に制度が利用されるケースも指摘されています。こうした課題を受け、経済産業省は「実際に事業を起こせる外国人起業家」に焦点を当て、制度の信頼性を高める方向で要件を見直しました。

改正の主なポイント

初回確認時(上陸・在留変更から1年以内)の要件を強化

改正案の最大のポイントは、初回確認時の事業規模要件が「常勤雇用の確保」と「資本金3,000万円以上」の両方を満たすことに変更された点です。これまでは「二人以上の常勤職員」または「資本金500万円以上」のいずれかで良いとされていましたが、改正後は「かつ条件」となり、資本要件も6倍に引き上げられます。初年度から本格的な事業実施体制を整えることが求められます。

更新時(2年目以降)の要件は現行基準を維持

在留期間を更新する際の確認基準については、これまで通り「二人以上の常勤雇用」または「資本金500万円以上」のいずれかを満たせば良いとされています。初年度のハードルを高く設定し、以後は安定的な事業継続を促す設計です。

申請者の適格性(学歴・職歴)基準の整理

外国人起業家が満たすべき学歴や職歴要件が見直されます。これまでの「学位保有」を単独で要件とする考え方を改め、大学卒業や専門学校修了に加えて、「外国での経営・管理経験1年以上」など、実務能力を重視した柔軟な判断基準が導入されます。形式的な資格よりも実績と事業遂行能力を重視する方向です。

起業準備期間の通算上限を明確化

特定活動による起業準備の在留期間や、国家戦略特区での創業活動を含む場合でも、原則として通算2年を上限とする旨が明文化されます。長期滞在を目的とした制度利用を防ぎ、早期の事業立ち上げを促す狙いがあります。

報告手続の電子化を明確化

起業準備計画や進捗報告などの提出について、電子情報処理システム(オンライン提出)の利用を原則とすることが明確化されます。これにより、申請者・自治体・経産省間のやり取りが効率化し、事務負担が軽減されます。

実務への影響・企業の対応策

この改正により、外国人起業家を支援する自治体やインキュベーション施設、大学、企業は、支援対象者の選定基準と支援体制の見直しを迫られます。

まず、初年度から「資本金3,000万円+常勤雇用1名以上」を満たす計画を立てられるかが重要です。金融機関や投資家との連携、資金調達支援を早期に進める必要があります。また、起業家側も、資金計画と採用計画を連動させた事業計画書を準備することが求められます。

さらに、職歴・経営経験の証明書類の整備が必要です。海外でのマネジメント経験を証明する書類(職務証明書、在職証明、推薦状など)を英語または日本語で整えることで、申請の信頼性が高まります。

報告手続の電子化に伴い、企業や支援団体はオンライン報告対応の体制を整備する必要があります。進捗報告、資本金払込証明、雇用契約書、社会保険加入状況などのデータをデジタル管理し、提出に即応できる環境を構築しておくことが望まれます。

施行時期と今後のスケジュール

この改正案は現在パブリックコメント(意見募集)段階にあり、正式な公布・施行日は未定です。通常、パブリックコメント終了後に告示が公布され、数か月以内に施行される見通しです。公布後は、新しい確認基準や申請様式が速やかに適用されるため、支援機関・事業者は早期に準備を進めることが重要です。

まとめ

今回の改正案は、外国人起業支援制度を「本格的な起業家支援」へと進化させる内容です。初年度の資本金・雇用要件を引き上げることで、真に実行可能な事業を選別し、制度の信頼性を高めます。企業・大学・自治体などの支援側は、資金計画・雇用体制の整備、電子申請対応を早急に進める必要があります。外国人起業家にとっては、より厳格ながらも透明性の高い制度のもとで、安定した創業活動を行うチャンスが広がるでしょう。

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