私人逮捕とは、目の前で犯罪が起きた場合に一般人が犯人を逮捕することをいいます。
ただ、私人逮捕が認められるには条件があり、その条件を満たしていないと、違法行為になってしまう可能性があります。
具体的には、暴行罪や監禁罪として逆に逮捕されたり、相手から損害賠償を請求されてしまう可能性があります。
私人逮捕が違法にならないための2つの条件
私人逮捕が違法にならないためには次の2つの条件を充たす必要があります。
①現行犯、または準現行犯にあたること
②軽度の犯罪の場合は犯人の住所氏名が明らかでなく逃亡のおそれがあること
です。それぞれについて説明をします。
①現行犯逮捕、または準現行犯逮捕であること
私人逮捕が認められるには、犯罪が現行犯逮捕か準現行犯逮捕であることが必要です。
現行犯という言葉はよくニュースなどで紹介されるので聞いたことがある方が多いと思います。
要するに、目の前で犯罪が起きた場合のことをいいます。
準現行犯とは、犯罪そのものは目撃していないけど、状況から見て犯罪が起きたとほぼ間違いなくいえるような場合のことをいいます。
例えば、泥棒の被害者が「ドロボー」と叫びながら、犯人を追いかけているような状況のことです。
これらの場合には、犯人を捕まえる必要性が高く、また、誤認逮捕の恐れも少ないことから私人逮捕が認められるのです。
②軽度の犯罪の場合は犯人の住所や氏名が明らかでなく逃亡のおそれがあること
軽度の犯罪の場合、すぐに犯人を逮捕する必要性がそれほど高いとはいえません。
そのため、軽度の犯罪の場合は、犯人の住所や氏名が明らかでなく、かつ、逃亡のおそれがあることが私人逮捕をするためには必要です。
軽度の犯罪というのは、30万円以下の罰金や過料に当たる罪のことをいいます。
例えば、過失傷害罪や道路交通法違反、侮辱罪などがこれにあたります。
軽度犯罪の場合、犯人の名前や住所がわかる場合には、現行犯逮捕はできません。
そのため、交通事故を起こした犯人が免許証のコピーなどをあなたに呈示した場合、住所や氏名が明らかであるので、現行犯逮捕はできないということになります。
私人逮捕が認められる2つの条件とは まとめ
私人逮捕が違法にならないためには、次の2つの条件が必要となります。
①現行犯、または準現行犯にあたること
②軽度の犯罪の場合は犯人の住所氏名が明らかでなく逃亡のおそれがあること
これらの条件を満たしていない場合、暴行罪や監禁罪などで逆に逮捕される可能性があります。
また、私人逮捕をしたけど、実は真犯人ではなかったという、いわゆる誤認逮捕の場合について、暴行罪などが成立する可能性は低いですが、精神的苦痛を与えたとして、損害賠償を請求される可能性などはあります。
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